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ドクターサポート通信

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未収金が経営に及ぼす影響 後編

前回の記事では、未収金が起きる原因について述べてきましたが、今回は未収金の防止策について解説していきます。

未収金は「診療所側」と「患者側」の2つの発生原因に分類できます。

「診療所側」の原因による未収金問題

医療費に関する情報と、診療に関する情報に分けて考えていきます。
医療費の窓口負担額や検査予定などの情報に関しては、事前に患者側に説明しておかないと「所持金が足りない」という事態になることもあります。

検査内容を説明しただけでは、具体的にどの程度の医療費がかかるか分からないためです。これにより、「急に高額の検査が行われ、当日の所持金が足りず支払いができない」「保険外診療のため、治療費が高額になり支払いのめどが立たず、長期の分割払いとして処理することになる」「時間外診療のため保険証を所持しておらず、所持金もない」といったように、現金不足による不払いのケースが発生します。

こうした事態を防止するためには、まず、医師やスタッフが高額検査・高額医薬品・高額医療材料など医療費に関する情報や窓口負担額について、事前に患者側に説明しておくことが必要です。可能な場合は金額の目安を示した紙などを、診察券にクリップ等で留めて渡せると良いでしょう。

未収金は次回来院時又は次回診療時に回収することが原則ですが、ケースにあるように時間外診療の場合に会計処理ができないと、未収金の存在自体をクリニックで把握できなくなることもあります。

次回予定の検査内容やその負担額など診療に関する情報を「患者に伝え忘れない」ためにも、管理システム上での工夫も必要です。目立つ色のポストイットで一定の場所に分かる様にしておく、といったアナログ手法でも良いでしょう。

次に、次回来院予定がない患者が、会計・支払いを終了し診療所を出た後で事後算定が生じた場合について考えていきます。 まずは、事後算定が何故生じたのかという原因をつかむことが必要です。

主な原因は、会計後に医師の追加オーダーが出るケースや診療録などへの記入漏れ、スタッフの点数算定に関する知識不足・理解不足などでしょう。

特に後者の場合は、スタッフが点数算定に関する十分な知識と理解を備えていることは必須条件です。
診療報酬点数表や診療報酬Q&Aなどを参考として、医師とスタッフが同じレベルの知識を共有できるように、院内で定期的な研修を実施するなどの取り組みが必要です。

この原因の根本には、スタッフの知識向上へのモチベーションの低さがあります。
診療所の医療収入は、保険診療が基盤になっているという意識を共有することが重要なポイントです。


「患者側」の原因による未収金問題

本来は支払い能力があるのに、会計時に所持金不足で未収金になるケースがあります。

また「会計までの待ち時間が長く、治療費の支払いをしないで帰宅してしまう」、「支払いに関してトラブルになり未収金になる」というような、ケースも見られます。

会計までの待ち時間が長いケースの場合は、時間短縮に向けたシステムやプロセスの見直しが必要です。
また、トラブルを避ける為にも、説明や対応をしっかりしていくことも大切です。

未収金には、様々な理由があり、対応が大変なケースも少なくありません。
しかし、その未収金がクリニックの経営を支える売り上げに、深くかかわってくるということをよく認識しましょう。

また、金額の大小ではなく、未収金自体を軽く見てしまうことは、モチベーション等の根幹にも決して無関係ではないということを、経営者が深く理解し、スタッフとの意識共有をじっくり行っていってください。

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